まだ冷酒だけ? 温度の違いで楽しむ日本酒 燗酒のすすめ

むぎ
こんにちは。むぎです。

「寒い日には熱燗をキューっと」なんて言いますが、冬には鍋をつつきながら熱燗なんて最高ですね。

体の中からあったまります。

「夏だって熱燗だよ」っていう人だっていますからね。(じつはこれ6月に書いているんですが…)

 

世界的に見ても、日本酒ほど飲む時の温度の幅が広いお酒はありません

温度の違いで、香りも味わいも変わってくるんです。

 

燗酒って聞くと

「なんかおやじっぽいよね」

「熱燗とかって聞くと、お酒くさくて悪酔いしそう」

なんて思っている方もいるかもしれません。

 

でも、日本酒は温めることでうまみが増したり、冷酒で飲むより体には良かったりするんですよ。

こんなことを聞いたら、ちょっと飲んでみようかなって思えないですか?

 

じつは私も以前は燗酒が苦手でした。

若いころに飲み会で飲まされた熱燗の味が、悪い意味で忘れられなかったんです。

 

でも、今は違います。真逆です。燗酒大好きです!

飲み会で飲まされたあの熱燗は、いろいろ違ってたって気づいたからなんですよね。

今は、日本酒を冷酒だけで飲んでたなんて、楽しみの半分、いや3分の2は損してたんじゃないかって思うくらいです。

 

さあ、あなたもこれを読んで日本酒の世界を広げてみてください。

燗酒の世界へようこそ!

 

燗酒の効果 メリット

私が燗酒をおすすめするのにはもちろん理由があります。

それをいくつかあげてみます。

燗酒の効果 メリット
1 香りや味わいが豊かになる
2 酸味が旨味に変わってくる
3 苦みや渋みがおさえられてまろやかになる
4 より辛口になる
5 冷酒より体にいい

他にもあるんですが、大きなものはこんなところです。

ただし、何でもかんでも温めればいいわけじゃなく、それぞれの日本酒に合った温度があることを知っておいてください。

かんたんに説明します。

1 香りや味わいが豊かになる

日本酒をあたためると、香りが豊かになってきます。

また、冷たいときにはあまり感じなかった甘みなどの味わいがより感じられるようになります。

冷たくして飲むジュースに砂糖などがたくさん入っていますが、これは冷たいと味を感じにくいからなんですね。

なので、逆にあたためるといろいろな味を感じやすくなってくるんです。

日本酒をあたためることによって、隠れていた香りや味わいが現れてくるということです。

でも、熱すぎると甘みを感じにくくなったり、香りが飛んでしまうこともありますよ。

 

2 酸味が旨味に変わってくる

これは日本酒をあたためた効果の中で、一番なんじゃないかと私は思います。

日本酒には、乳酸などの「温旨酸(おんしさん)」といわれる成分が含まれています。

その名の通り、「あっためると旨くなる酸」です。

この酸の効果で、冷たいときにはちょっとすっぱいかなと感じた日本酒が、あたためることで旨味が増して感じるようになったりするんですね。

乳酸を比較的多く含んでいる生酛や山廃などの日本酒は、よりお燗の効果を感じられるでしょう。

 

3 苦みや渋みがおさえられてまろやかになる

甘みなどは、あたためると感じやすくなると上で書きましたが、苦みや渋みは逆に冷たい方が感じやすくなってきます。

なので、冷たいときにちょっと苦みや渋みが気になる日本酒も、あたためることで飲みやすくなったりするんですね。

不思議ですね。

 

4 より辛口になる

日本酒をあたためると、アルコールの揮発性が高まって、刺激が出てきます。

これによってより辛口な味わいになってくるんですね。

甘みもあたためると感じやすくなるんですが、さらに熱くなってくると、アルコールの刺激の方がより強くなって、辛さを感じてきます。

 

5 冷酒より体にいい

「親の小言と冷酒は後で効く」という言葉があります。

これは、親の小言も冷や酒も、そのときは何とも思わなくても後になってじわじわと効いてくるということです。

アルコールは、体内に入ってから、体温に近くなってくるとしだいに吸収されるといわれています。

つまり、冷たい日本酒を飲むとすぐには酔わないのでいい気になっていると、気づいたら大変なことになっちゃったりするんですよね。

わたしもこれで何度も失敗していますが・・・

燗をつけたほうが早めに酔いを感じるので、飲みすぎになりにくいんですね。

燗酒の印象がちょっと変わってきたでしょうか?

 

温度で違う燗酒の呼び名

あたためた日本酒(燗酒)というと熱燗という言葉が思いつくかもしれませんが、熱燗は温度によって呼び名が分けられている燗酒の中の1つなんです。

燗酒の呼び名は、温度の違いによって6つに分けられています。

温度による呼び名の違いと、それぞれの特徴がこちらです。

 

 温度  30℃  35℃  40℃  45℃  50℃ 55~60℃
 呼び名  ひなた燗  人肌燗  ぬる燗  上燗  熱燗 とびきり燗

 

ひなた燗

常温より少しあたたかいくらいなので、飲んでもあたたかさは感じないくらいです。

ほんのり香りが引き立って、口あたりがなめらかになってきます。

 

人肌燗(ひとはだかん)

その名の通り、人の体温とほぼ同じぐらいなので、さわればちょっとあたたかさを感じる程度です。

お米や麹のいい香りがしてきます。

 

ぬる燗

体温よりちょっと高いぐらいなので、飲むとあたたかい感じになると思います。

日本酒の香りが一番引き立つ温度で、ふんわりとしたあじわいになります。

 

上燗(じょうかん)

とっくりを持つとちょっと熱さを感じて、注いだ時に湯気がたってきます。

香りが引きしまってきて、口あたりにシャープさが出てきます。

 

熱燗

とっくりから湯気が立つほどになってきて、持つと熱いと感じます。

香りがシャープになってきて、キレのある辛口になってきます。

 

とびきり燗

とっくりを持ちにくくなるぐらいの熱さです。

刺激を感じるような香りになり、アルコールの刺激も増すので、より辛口に感じるようになります。

 

日本酒の名称別に、合う燗酒の温度

ここでは、吟醸酒・純米酒などの日本酒の名称別にどの燗酒の温度が合うのか書いていきたいと思います。

ただし、たとえば吟醸酒の中にもいろいろなタイプがあるので、これに当てはまらないものもあります。これはあくまでも目安としていただいて、実際に自分で飲んでみておいしい温度を見つけてみてくださいね。

 

大吟醸酒系 吟醸酒系

ひなた燗(30℃)~ぬる燗(40℃)

基本的には10℃ぐらいに冷やして飲んでもらうのがいいんですが、少しあたためることで、また違った味わいを発見できるかもしれません。

でも、このあたりの日本酒は比較的デリケートなものが多いので、燗をつける時にはちょっと注意が必要です。

フルーティーな香りが豊かなのが吟醸酒系の特徴の一つなんですが、あたためることによってこの香りが強く出すぎてしまったり、反対に香りが飛んでしまったりすることがあるんですね。

甘みがあるものなどは、あたためることでその甘さがベターっとしたものになってしまうことも。

なので、吟醸酒系の日本酒を燗につけるときは、香りや甘みが比較的ひかえめのものを選ぶといいでしょう。

頭に「純米」がついている「純米大吟醸」や「純米吟醸」などは、比較的香りはひかえめでうまみがあるので、燗酒に向いているものがあるでしょう。

 

香りや甘さが控えめなのかどうかわからないときは、ちょっと面倒ですが、少しずつ温度を上げてみておいしい温度を見つけてくださいね。

ただし、温度の上げすぎには注意してくださいね。

 

最近は、お燗をつけて飲むために作られた吟醸酒なども売られています。

こんなのも試してみるといいですよ。

 

純米酒

人肌燗(35℃)~上燗(45℃)

純米酒は、燗酒のよさが一番味わえるお酒だと私は思います。

とくにこの温度帯では、純米酒の特徴のお米や麹の香りをより感じられるでしょう。

また、酸味が旨味に変わって、おいしくなっていきます。

「生酛」や「山廃」などの昔ながらの造り方をしている純米酒は、乳酸などの酸を多く含んでいるので、燗をつけたときのおいしい変化をとくに楽しめるんじゃないかと思います。

日本酒を温めて飲むのは、吟醸酒などがなかった昔からおこなわれてきました。

日本酒の基本である純米酒が燗酒に合うのは納得がいきますね。

 

本醸造酒 普通酒

ぬる燗(40℃)~熱燗(50℃)または、とびきり燗(55℃)

比較的スッキリした味わいのものが多いこのあたりの日本酒は、お燗の温度の幅が一番広いと思います。

醸造アルコールを添加されているので、あたためるとアルコールの揮発性が増して、シャープな辛口の味わいになってきます。

でも、これは逆に言うと、熱くなるとアルコールの刺激がキツくなるということでもあるので、熱くしすぎるのは注意が必要ですね。

また、普通酒には糖類が添加されているものがあるので、温度によってはベタっとした甘さが出てしまうことも。

 

ほかの日本酒にも言えることですが、上に書いてあることは参考程度にして、あなたがおいしいと思える温度を探してみてくださいね。

 

燗酒の作り方

燗をつけるには、やっぱり湯せんが一番いいんですが、ちょっとめんどくさいときもありますよね。

レンジでのやり方もご紹介します。

 

湯せんでの燗つけ

湯せんで燗をつけるには、まず80℃のお湯を作ってください。

沸騰した1リットルのお湯に300CCの常温の水を入れれば約80℃になります。
温度計があれば測るといいですね。

沸騰したお湯につけてもいいのですが、あまりいっきに温度を上げると、アルコールの揮発性が高まってピリッとした感じになってしまいます。

80℃ぐらいで湯せんすると、まろやかな仕上がりになりますよ。

80℃のお湯ができたら、お酒の入ったとっくりの口にラップをかけて、お湯に半分ぐらいつかるように入れます。

これで、好みの温度になるまで待ってください。

とっくりで25℃の日本酒を湯せんしたときの時間の目安は以下のとおりです。

日本酒の燗つけ時間の目安
常温25℃の日本酒を1合のとっくりで湯せんの場合

・30℃・・・約30秒
・40℃・・・約1分
・50℃・・・約1分40秒

※とっくりの素材や厚みで時間は変わります。

 

レンジで燗つけ

最近は高性能な電子レンジがあって、うまく燗酒ができるものもあるようですが、そういった機能がない場合はちょっと工夫が必要です。

まずあたためるときの容器ですが、とっくりだと首のところがせまくなっているのであたたまり方にムラができてしまいます。

なので、湯のみやマグカップなどの上から下までの幅があまり変わらないものを使います。

こちらも口にラップをしてください。

そして、まず20秒ほどあたためてから一度お酒を箸などでぐるっとまぜます。

それからまた20秒でまぜるというように、くりかえしてお好みの温度にしてください。

飲む時には、とっくりなどに移してくださいね。湯のみじゃ雰囲気がでないんで。

 

まとめ

日本酒は、あたためることによりいろいろないい効果が生まれます。

冷酒や常温で気づかなかったその日本酒の新しい味わいを発見できるかも。

しかし、ただ温めればいいというわけじゃなく、それぞれ日本酒に合う温度があります。

飲んでいるうちに燗酒の温度が下がっていくのもまた楽しいですよ。

いろいろな温度で試してみて、あなたのお気に入りを見つけてください。

燗酒は、あなたの日本酒の世界をきっと広げてくれるはずです。

 

「自分が好きな酒が一番いい酒」です。

 

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