日本酒のタイプ別の賞味期限と保存方法のポイント 2プラス1

むぎ
こんにちは。むぎです。

 

酒屋をやっていると、時々お客さんからこんなことを聞かれます。

「何年も前にもらってフタを開けてない日本酒があるんだけど、まだ飲めるのかな?」

 

そんなとき私はこう答えます。

 

「飲めますよ。でも、飲んでみておいしくなかったら料理にでも使ってください。」

日本酒はフタを開けていないものならば、よほどのことがない限り飲むことはできます。

飲むことはできるんです。

でも、おいしいかどうかはわかりません。

 

日本酒はけっこうデリケートなお酒です。

飲むことはできても、その日本酒がどんな状態で保存されていたかで味が大きく変わってしまうんですよね。

 

今回は、日本酒の賞味期限と保存方法についての話です。

 

目次

日本酒の賞味期限

ほとんどの日本酒には賞味期限の表示がされていません。
食品衛生法では、日本酒の賞味期限の表示は省略してもいいとされているんです。

 

かわりに日本酒のラベルに書かれているのは、「製造年月」です。(年月日までのものもあります)

「製造年月」というのは、ふつうはその日本酒がビンに詰められた年月のことです。

でも、中にはビンに詰められた後に数か月間熟成させてから出荷されるものもあるので、
「製造年月」というのは、その日本酒を製造元から出荷した年月ということでいいと思います。

この他に、最近はその日本酒が醸造された年(BY)を表示しているものもあります。

 

日本酒の賞味期限の目安

日本酒には通常15%前後のアルコールが含まれているので、雑菌が増えて腐ってしまったりということはほとんどありません。
ちゃんとした保存をしていれば、開封前ならたとえ10年ぐらい経ってしまったものでも飲むことはできるんですね。

でも、造り手の人たちは、その日本酒がおいしくなったときを見きわめて出荷をしています。
「今この状態で飲んでほしいんだよね」と思っているはず。

ホントは出荷されたものをすぐに飲んでほしいんですよね。

 

でも、なかなかそうもいきません。

なので、日本酒の蔵元さんやメーカーさんなどが「これくらいまでならおいしく飲めそうかな」って言っている賞味期限の目安を表にしてみたので、これを参考にしてみてください。

この表はあくまでもフタを開けてない場合の目安です。
それから、保存方法は大事ですよ。保存方法については、この後下で書きますね。

   日本酒の種類   賞味期限の目安        保存の温度
 本醸造酒 普通酒   10~12ヶ月  20℃ぐらいまで 冷蔵のほうがよりよい
 吟醸酒系 純米酒   8~10ヶ月  吟醸酒系は冷蔵 純米酒も冷蔵おすすめ
 生貯蔵酒 生酒   3~6ヶ月  冷蔵してください

※本醸造酒 吟醸酒系 純米酒にも「生貯蔵酒・生酒」のものがあります。
この場合は生貯蔵酒・生酒として扱ってください。

※ラベルに賞味期限が記載されているものはそちらを参考にしてください。

 

日本酒の保存方法 2プラス1

 

 

上で日本酒の賞味期限の目安を表にしましたが、これは適切な保存方法をしていることが前提です。

良くない環境に置かれた日本酒は、数日で味が悪くなってしまうことだってあるんです。

 

これから書く日本酒の保存方法のポイントをおさえて、おいしく飲んでくださいね。

温度管理」と「光の遮断」そして開封後は空気を避ける

この2プラス1のポイントが大切です。

 

ポイント1 「温度管理」

日本酒は、まず保存する温度に十分気をつけなければなりません

高温になってしまうような所で日本酒を保存すると、熱の影響で変色したり、老香(ひねか)といわれるイヤなにおいが出てしまったりします。

 

日本酒を保存をするときの適切な温度は、5℃~10℃が理想です。

家庭では冷蔵庫に入れるのがいいでしょう。

本醸造酒や純米酒・普通酒のうち生酒や生貯蔵でないものは、すずしくてあまり温度の変化がない所なら大丈夫です。

でも、その場合はなるべく早めに飲んでもらったほうがいいですね。

 

日本酒によっては、ラベルに「冷蔵庫で保存してください」など保存方法が書かれているものがあります。
この場合はそれにしたがっていただければいいと思います。

 

ポイント2 「光の遮断」

次に気をつけたいのが、光です。

 

日本酒を直射日光に当てると、ほんの数時間で色が変化してしまいます。

また、日光臭といわれるにおいが出ることも。

 

直射日光まで強くなくても、蛍光灯などの紫外線を含む光などでもだんだん変化が出てきます。

保存するときは光源の近くはさけて、新聞紙などでくるんでおくといいでしょう。

特に透明やフロスト(すりガラス)のビンに入ったものは、紫外線を通しやすいので気をつけたいです。

 

参考までに・・・

紫外線を通しにくい順番でビンの色をならべると

黒⇒茶色⇒緑⇒白フロスト(すりガラス)⇒透明  です。

 

ポイント3 開封後は空気を避ける

上の2つのポイントは開封前の注意点ですが、ポイント3は開封後の注意点です。

 

基本的には、開封後は冷蔵庫に入れて早めに飲んでください。

日本酒は開栓して空気に触れると、酸化がすすんだり香りが飛んでしまったりして、味わいが変わってしまいます。

まずは、冷蔵庫に入れて早めに飲むようにしてください。

 

でも、すぐに飲めないこともありますよね。
それに、1升ビンだと冷蔵庫に入らないこともあるでしょう。

そんなときは、ほかの小さいビンに移しかえて冷蔵庫に入れるといいですよ。

このとき、入れるビンをきれいに洗っておくことを忘れないで下さいね。

そして、ビンの目いっぱいまでお酒を入れて、空気と触れる面積をなるべく小さくするようにしてください。

 

まとめ

日本酒は意外にデリケートなお酒です。

賞味期限が書かれていないものがほとんどなので、いつまでも飲めそうな気がしますが、必ずしもそうではありません。

保管の状態が悪ければ、飲んで問題はなくても、おいしくなくなってしまします。

 

「温度」 「光の遮断」 「開封後は空気を避ける」

この3つのポイントに気をつけて、日本酒をおいしく飲んでください。

 

余談ですが、

私は以前、家で日本酒を5年間ほど寝かせてみました。
もちろん、新聞紙でビンをくるんで冷蔵庫の奥の方にしまっておいたんですが、

飲んでみると、色はほとんど変わっていなかったんですが、口あたりがまろやかでおいしい日本酒になっていました。
こんな味の変化は歓迎です。

ちゃんとした保存をすれば、こんな楽しみ方もできるんですよね。

 

 

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