日本酒のつくり方を15の工程でかんたんに解説

むぎ
こんにちは。むぎです。

 

日本酒ってどうやって造られるんでしょうか?

日本酒好きとしては、興味あるところですよね。

日本酒の歴史は2000年ほどだといわれていますが、初期のものは、米を口で噛んだものを貯めて造ったそうです。

ちょっと「えっ!?」ってなっちゃいますね。

もちろん、今はそんなことしてませんが・・・

 

現代の日本酒造りの原型ができあがってきたのは、平安時代のころといわれています。

それから1000年ほど経った今でも、機械化などはされているとはいえ、昔と同様に麹(こうじ)や酵母(こうぼ)などの微生物の力を借りながら、人の経験や知恵を生かして日本酒が造られています。

 

日本酒は世界的に見ても、とても高度な技術で造られたお酒です。

 

本当はとても複雑な作業がたくさんあって日本酒はできあがるんですが、ここでは、日本酒の基本的なつくり方を大きく15の工程に分けて、かんたんに説明したいと思います。

日本酒のつくり方の基本

酒類をその造り方で分類すると、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つに分けられますが、日本酒は「醸造酒」の仲間になります。

醸造酒とは、果実や穀類の原料として、それを酵母でアルコール発酵させて造られたお酒で、代表的なものは他にビールやワインがあります。

日本酒はお米で作られた「醸造酒」ということですね。

 

日本酒ができる過程は・・・

お米の成分を麹の力で糖に変える⇒糖を酵母でアルコール発酵

超かんたんに書くとこんな感じです。

でも、もちろんこの過程の中にいろいろな作業があります。それをこれからお話します。

 

日本酒が造られる15の工程

日本酒ができるまでの工程を大きく分けるとこんな感じです。

 

1.精米(せいまい)

原料の玄米の外側には、日本酒の香りや味わいに良くない影響がでる成分が多く含まれています。

これを削り取るのが「精米」です。

玄米を削って、残ったお米の重さの割合を「精米歩合(せいまいぶあい)」といって、○○%であらわされます。

玄米を30%削って、70%残っていれば、精米歩合70%。

大吟醸にもなると、精米歩合は50%以下になります。

半分以上もお米を削ってしまうんですね。

 

2.枯らし(からし)

精米してすぐのお米は、まさつの熱で水分が飛んでしまっているので、すぐには使われません。

お米の水分が飛んでしまっていると、次の工程の洗米や浸漬の時に水を吸いすぎてしまったり、割れやすくなってしまったりするからです。

なので、しばらく袋などに入れて、吸湿させて落ち着かせるんですね。

これを「枯らし」といいます。

「枯らし」の期間は1か月ほどかかるそうです。

 

3.洗米(せんまい)・浸漬(しんせき)

「洗米」は、その名のとおり、お米を洗う作業です。

精米をした時にお米の表面に残った糠(ぬか)などのくずを洗い流すために、洗米をします。

 

「浸漬」は、お米を蒸す時に必要な水分を吸収させる作業です。

お米に吸収させる水分の状態でその後のお酒の出来大きく変わるともいわれているので、とても注意が必要な作業の一つといえます。

浸漬をするときの気温や湿度、水の温度などで吸水の状態は変わってくるので、とくに吟醸酒などのお酒を造るときは、熟練した職人がストップウォッチで測って、秒単位の作業をすることもあります。

 

4.蒸し(むし)

食べるときはお米を炊きますが、日本酒を造るときは「蒸し」ます。

炊くと水分を吸いすぎてしまって、粘りも出てしまうので、日本酒造りには向かないんですね。

 

お米を蒸す道具は、甑(こしき)というものが昔から使われてきました。

シュウマイなどを蒸すときに使うセイロの大きいのみたいな道具で、下から蒸気を出して蒸します。

最近では、蒸気の中をベルトコンベアでお米を通して蒸す機械なども使われています。

 

5.製麴(せいぎく)

お酒を造る、つまりアルコールをつくるには、糖が必要になります。

蒸したお米は、そのままではほとんど糖を含んでいません。

なので、麹(こうじ)の力を借りて、お米にたくさん含まれているデンプンを、糖(ブドウ糖)に変えます。

これが「製麴」という作業です。

「一麹 二酛 三造り」と昔からいわれていて、日本酒を造る中でとても大切な工程なんですね。

 

製麴では、蒸したお米に種麹(たねこうじ)をふりかけて、麹カビを繁殖させます。

かんたんにいうとこういう事なんですが、

実際には、30℃を超える麹室(こうじむろ)という部屋で2日間ほどかけて行われる本当にたいへんな作業なんです。

 

6.酒母造り(しゅぼづくり)

酒母は、酒の「母」の名前のとおり、日本酒を生みだす大切なものです。「酛(もと)」ともいわれています。

 

日本酒は、麹によって造られた糖を酵母の力でアルコールに変えて造られます。

そのためには、元気な酵母をたくさん増やす事が重要になります。

そこで、まずは、少量のお米・麹・水に酵母を加えて、良い環境の中で元気な酵母を造るんですね。

これが、「酒母造り」です。

 

酵母は、微生物としては弱いものなので、他の雑菌などがたくさんあると増えることができなくなってしまいます。

でも、酵母は酸性には強い性質があるので、酒母を他の雑菌などが繁殖しにくい酸性にして、酵母が増えるのを助けてあげます。

このとき、酒母を酸性にするために使われるのが「乳酸」です。

 

この乳酸を作り出すために、昔から、蔵の中などにある乳酸菌を利用してきました。

自然に任せるようなものですから、なかなか大変な事でした。

生酛造り(きもとづくり)」といわれる昔ながらの日本酒造りでは、今でも、乳酸菌から「乳酸」を作るということが行われています。

 

一方、最近の日本酒は乳酸菌を使わずに、すでにできあがった乳酸を加えて造られることがほとんどです。

これを「速醸酛(そくじょうもと)」といって、今の日本酒の9割ほどがこの速醸酛で造られています。

 

7.醪造り(もろみづくり)

ここからいよいよ本格的な日本酒の醸造(発酵)が始まります。

 

この前の工程で造った酒母に、麹、水、蒸したお米が加えられて、アルコール発酵をしていきます。

これらの原料が入ったものを「醪(もろみ)」というので、この工程を「醪造り」といいます。

 

醪造りでは、原料を通常4日間で3回に分けて入れていきます。これを「三段仕込み(さんだんじこみ)」といいます。

どうして3回に分けるのかというと、

酒母造りでお話したように、酵母は酸性の状態で元気に活動できるので、原料を一度に全部入れてしまうと酸性が薄まってしまって酵母がうまく活動できなくなってしまうからなんですね。

なので、原料を分けて入れて、酵母が元気に活動できるようにしながら醪を造っていくんです。

 

三段仕込みで原料が入れられると、その後2週間から1か月ほどかけて発酵がすすめられていきます。

 

8.上槽(じょうそう)

発酵が終わった醪をしぼって、酒かすと液体に分けることを「上槽」といいます。

 

上槽の方法としては、「自動圧搾機」や「槽(ふね)」を使うことが多いのですが、高級な限定酒などは「袋吊り(ふくろつり)」という方法でしぼられることがあります。

 

「自動圧搾機」は大きなアコーディオンのような形をしていて、その中に醪を入れてギュッと押していくと、お酒がしぼり出されてくるというものです。

 

「槽」によるしぼりは、昔ながらの方法で、四角い箱に醪を入れた布袋をしきつめて、その上から圧力をかけてしぼるというものです。

 

そして、「袋吊り」は、布袋に醪を入れたものを宙にぶらさげて、自然にしたたり落ちてきたものだけを集めるというなんともぜいたくなしぼり方です。

しずく酒ともいわれます。

日本酒のホントにおいしい部分だけを集めたようなお酒で、雑味のないきれいなあじわいになって、できる量も少ないので、当然高価なものになります。

 

9.滓引き(おりびき)

上槽をした後の日本酒は、まだうっすらとにごった状態です。

これを取りのぞくのが「滓引き」です。

にごった状態の日本酒をタンクの中にしばらく置いておくと、にごりの部分(滓)が下の方に沈んできます。

そこで上の澄んだ部分を抜き出していくんですね。

 

10.ろ過(ろか)

滓引きをしても、どうしても残ってしまう滓があるので、それを「ろ過」でとりのぞきます。

また、黄色っぽく色がついているものや、余分な香りなどをとりのぞいたりもします。

 

最近「無ろ過」という日本酒が増えてきました。

これは、ろ過をしなかったり、あまりろ過をしないなどして、あえて香りや色を残したものです。

 

11.火入れ(ひいれ)

ろ過された日本酒の中には、まだ酵母や、麹が作り出した酵素などがわずかに残っていて、このまま貯蔵すると、お酒の質が変わりやすくます。

また、日本酒によくない影響がある雑菌が入ってしまっていることもあるんですね。

そこで、日本酒をあたためて殺菌をするのが「火入れ」です。

 

火入れというと、沸騰するぐらい高い温度にするように思えてしまうかもしれませんが、

実際は、60℃ぐらいの温度で30分ほどかけて行われています。

 

ちなみに、「生酒」などは、この火入れをしません。

 

12.貯蔵(ちょぞう)

できたばかりの日本酒は、フレッシュなんですが、ちょっとピリッとしていたりして角があるものです。

これをタンクなどに入れて、まろやかに熟成させるのが「貯蔵」です。

 

貯蔵により味わいが変わってくることのメカニズムは、まだよくわかっていないそうなんですが、

時間をおくことで、アルコールの分子と水の分子がなじんできて、まろやかになってくるからともいわれています。

 

13.調合・割水(ちょうごう・わりみず)

いくつかのタンクで日本酒が造られた場合は、その銘柄の味を均一にするためにブレンドするのが「調合」です。

 

また、この前の段階では、日本酒のアルコール度数はものによっては20度ほどにもなっているので、水を加えてアルコール度数を調整します。

これが「割水」です。

なお、割水をしないでアルコール度数が高いまま出荷される日本酒もあって、「原酒(げんしゅ)」といわれます。

 

14.火入れ(ひいれ)

いよいよ日本酒が完成に近づいてきましたが、ビンに詰める前にもう一度「火入れ」をして殺菌します。

この火入れでは、ビンに詰めてから火入れしたりもします。

 

なお、この2回目の火入れの前に、もう一度ろ過をすることもあります。

 

15.ビン詰め(びんづめ)

日本酒造りの最後の作業「ビン詰め」です。

その名のとおり、ビンに日本酒を詰める作業です。

この後、ラベルが貼られます。

 

日本酒ができあがりました!

 

まとめ

日本酒は、2000年ともいわれる歴史の中ではぐくまれてきた人々の知恵と、酵母などの微生物の力で造られてきました。

それは、機械化された今でも変わっていません。

 

かんたんに説明するつもりが、思ったより長くなってしまいました。

それでも、ここで書ききれないたくさんの苦労があって日本酒はできあがります。

 

蔵人の苦労を少し思い浮かべながら日本酒を飲んでみてください。

ひと味違ってくるかもしれませんよ。

 

日本酒は、世界に誇れる高度な技術で造られたお酒です。

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