山廃仕込みの代名詞【天狗舞 山廃仕込純米酒】飲んでみた|飲み方|

私が飲んでみた日本酒の感想や飲み方を紹介していきます。

いろいろな温度帯で試してみました。

 

初めて「日本酒飲んでみた」シリーズを読まれる方は、まずこちらを読んでみてください。↓↓

 

今回の「日本酒飲んでみた」は、「天狗舞 山廃仕込純米酒」です。

「てんぐまい やまはいじこみじゅんまいしゅ」と読みます。

 

ここでは詳しくは書きませんが、「山廃仕込み」というのは昔ながらの日本酒の造り方の一つで、複雑な味わいのある実に日本酒らしいお酒ができる傾向があります。

※「山廃仕込み」について、もう少しくわしく書いています。⇒日本酒用語「山廃仕込み」

 

天狗舞を造るこの蔵元では、多くの日本酒が山廃仕込みで造られています。

山廃仕込みの代名詞ともいわれる蔵元の、代表格ともいえるこの日本酒。

どんな味わいでしょうか?

飲んでみました。

 

目次

日本酒の仕様(スペック)

●純米●

石川県   車多酒造(しゃたしゅぞう)

メーカー希望小売価格・・・  720ml・1400円  1.8L・2725円(消費税別)※平成30年 12月時点

原材料・・・米(国産) 米こうじ(国産米)

アルコール度数・・・16%

精米歩合・・・60%

日本酒度・・・+3

酸度・・・1.8

製造年月   平成30年8月

※データは変更される場合があります。

 

いろいろな飲み方で飲んでみた

●平成30年 12月●

まず、この日本酒で特徴的なのが色です。

画像では伝わりにくいかもしれませんが、山吹色と表現されるうすい黄色みがかったきれいな色をしています。

そして香りも独特で、香ばしいような中に酸味や蜂蜜のような濃い甘みを感じる香りがしてきます。

お米も感じさせて、濃い複雑な香りです。

口に入れると、熟成からくる一瞬のまろやかさの後に、酸味がぶわーっと広がります

その後、ザラメのような濃いめの甘みやうま味、苦みもほんのり感じてこちらも香り同様に複雑な味わいですね。

いろいろな味が感じられて、甘いのか辛いのか・・・よくわからなくなってきます。

 

熟成された白ワインのような、紹興酒のような、「ほんとにこれ日本酒?」って思ってしまう人がいそうな実に個性的な日本酒です。

いろいろな香りや味わいがあって、飲んでいて楽しい日本酒ですね。

 

常温

20℃ほどで

香ばしさや酸味のある中にも、甘みを感じやすいまろやかな香りになってきました。

カラメルのような感じの香りですね。

味わいも酸味がやや薄らいできて、そのかわりに甘みやうま味などを感じやすくなり、やわらかくなります。

複雑さが増して、ボリューム感が出てきます。

 

冷やして

8℃ほどで

香りのボリュームは控えめになって、スッキリとしてきます。

でも相変わらず香ばしいような個性的な香りはちゃんとありますね。

味わいには酸味がさらに強めに出てキュッとしまってきますが、その後にくる甘みやうま味がじんわりと口の中に残っていい感じです。

ちょっと苦みが出てくるかな。

冷やしても、いろいろな味わいを良く感じられますね。

 

燗つけ

40℃ほどで(ぬる燗)

香ばしさを感じる中にも、甘さを持つやわらかい香りがふわーっとしてきます。

味わいのボリューム感が増してきて、さらに濃厚な感じになってきますね。

酸味が多少やわらぐのに対して、やわらかな甘みが出てきて、まろやかな口あたりです。

飲んだ後に口の中にじわーっと残る酸味や甘みがいい感じです。

 

50℃ほどで(熱燗)

香りに少しツンっとした辛口感が出てきます。

ぬる燗よりも少しスッキリとした香りになったかな。

口に入れると熱さによる辛口感がありますが、それを打ち消すように甘みやうま味が出てきて、酸味とともにじんわりと口の中に残ります。

いろいろな味わいがしみ込んでくるような感覚です。

うん、うまいですね。

 

飲んだ感想のまとめ

温度帯別の評価

温度帯別の評価
・常温(20℃)・・・〇

・冷やして(8℃)・・・〇~△
・燗つけ(40℃)・・・◎
・燗つけ(50℃)・・・◎

 

冷やしても充分に味わいを感じることができますが、よりよく味わうには、温度が高めのほうがいいと思います。

複雑な味わいを感じることができますよ。

味わいが濃い日本酒なので、スッキリめで飲みたいときには、少し冷やしてもいいかな。

温度によっていろいろな表情を見せてくれる日本酒でした。

 

飲み方やつまみなど

やっぱり、あたためて徳利とおちょこで飲みたいですね。

冷やして飲む時は、ワイングラスでもいいと思います。

香りとともに、きれいな色も楽しめますよ。

 

濃厚な日本酒なので、それに負けない濃い味付けのつまみや料理が合うと思います。

和風だと、煮魚や佃煮なんかいいですね。

フキの佃煮があったので合わせてみましたが、フキのほろ苦さや甘さがよく合っておいしかったです。

また、紹興酒のような雰囲気のある日本酒なので、中華料理にも合うと思いますよ。

豚の角煮のような脂のある肉料理でもいいと思います。

 

最後に

活性炭による「ろ過」をなるべく少なくして造られた日本酒を、じっくり熟成させたことで出る色で、見た目にも楽しい日本酒でした。

お米由来の味わいもしっかり残っていて、個性的で複雑な味わいがあります。

飲むたびに違った表情を見せてくれるので楽しかった反面、感想を書きながらよくわからなくなっちゃいました。

この日本酒を飲んだ感想は、人によってけっこう違うかもしれませんね。

好みは分かれると思います。

 

現在の日本酒に多い淡麗なタイプの対極にあるともいえるんですが、こういうのが本来の日本酒だったのかもしれません。

 

あなたの日本酒の世界がもっと広がるといいですね。

お気に入りの日本酒を見つけてください。

 

「自分が好きな酒が一番いい酒」です。

 

 

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